ソウルメイトとの音楽遍歴⑱

 今更だけどキミと一緒にレコードやCDを一日中探す日々はもう来ない。そして、キミと呑みながら音楽観を語ることもまたままならない。

これまでも触れてきたけど、この20年でボクはすっかり音楽に対して保守的になってしまっていた。キミに教えてもらったものの耳に残る一部だけを残して、意欲的に音楽を聴くことをやめていた。

どんな感じかというと、まずライブに行かなかった。最後のライブ鑑賞はジーラブだった。
レコード屋さんにも行かなくなった。これはiPodを手に入れてmp3、iTunesライブラリーにストックが移行したことが大きいかも。ボクは2005年に全て切り替えている。
つまり、キミからのレコメンドがなくなった上に、レコード屋さんで無作為に入ってくる情報がなったことが重なって、iTunesで自分から検索しないと新しい発見が出来なくなった。そしてその状態を甘んじて受け入れたのだ。
また、YouTubeはますますボクを保守的にさせた。何故なら、過去の名演奏が沢山見られるようになり、大画面で見ればさながらライブのように感じたからだ。

そして、ベースは物置に約8年眠らせた。子どもがうまれた狭い我が家では危なかったからだ。これが最も決定的かもしれない。
ボクは10年前に自宅を手に入れ、楽器を置けるスペースが出来た。それを機にベースやギターの封印を解き、それに前後して仕事仲間のおかげでベースを再び弾くようになった。
不思議なものでベースを弾くと音楽の聴き方が変わるのだ。真似したいフレーズ、心地よいベースラインなど、ベースから音楽を愉しむのだ。

キミと出会ってベースを始め、そこからボクの音楽もまた始まったんだ。振り返ってみて気がついたよ。
キミが居なくなってキミのことを振り返ると同時にボクの音楽遍歴の振り返りにもなった。先生と生徒って思っていたけど、キミはいつもアンテナ張って様々な音楽に触れていて、というか学んでいて、一緒に音楽をやる仲間として教えてくれていたのかな。

おそらく、神戸でも周りの人に自分の音楽観を伝えて、好きな曲とその蘊蓄を語っていたんだろうね。

それはキミが歌っているtaquibeを聴いてそう思った、というか安心したよ。あ~ボクの知っているキミだ!って

音楽を教えてくれてありがとう。
昔ほどではないけど、自分の好きな音楽へのアンテナをボクなりに貼り直してみるよ。

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