私のチームが中心となって立てた提案要求は、提案してもらう内容が相対的に精度が高く実現性が高いことが最重要だ、という考えの軸を持っている。 その考えを基軸に主体的に係る方々と、我々の独善的でひとりよがりにならないことを念頭に置き、根本的な目的論をまとめあげた。 ただし、多数の意見を伺いまとめたから、私たちの内容が民主主義的に正しいといっているのではない。できる限り重複などの無駄を省き、意見の統合も行っているし、間違いや誤解を解いてきたので共通認識としては可としてもよいと思われる程度のものだ。 これをふまえて、責任部署の主事にあたる方と、ファシリテーターの三者で会社代表としての提案要求を作成することになったのだが、私の力不足もあり、個人の視点で述べられたインデックスの羅列が提案書として掲げられた。 そもそも最初から責任部署の主事と提案作成を共有すれば良いのであったが、議論を重ねる上では立場や経験で勝るその方の前では議論をすすめにくいと判断して彼をはずしていた。 とはいえ、同じベクトルでの着地点を目指していると確認できたので、意見の相違をすりあわせながら約2ヶ月の間調整をしたのであるが、組織上の立場から主導権を先方に任せざるを得なかった。 そして、出てきたものは2ヶ月前のインデックスに詳細項目についてだけ私たちとの妥協点が追加されていた。インデックス案なので根本的な目的は一切触れていない。 それでも、相手に気遣いをしながら本質論を展開すべきか考えたが、「目には目を」、と考えて政治的な動きでパワーを行使することにした。すりあわせの際に手を取り合って、会社のために頑張ろうと確認していたはずなのに、約束を守らなかった。 仕事とは約束を守ること。約束を守らない相手はまともにつきあっても時間の無駄と判断した。 あれだけ議論をしたにもかかわらず、根本的な目的を提示できない理由がわからず、どうしてか考えたが、彼ら(迎合したファシリテータも含め)は自己顕示欲を満たすこと、自身の理想郷をつくること、上司に認められこと、が目的なのだ。 少なくとも私たちはそんなことは考えていない。ゆえに私たちの案は個人のためにあるわけではないので、目的が違うのだ。わかっていたけどやっぱりそうであった。